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# Stratum

> Stratum は Starfort v1.4 のモジュールで、ファイルを Confidential / Internal / General に分類し、外部生成 AI への転送を統制します (Starfort v1.4 版)

**Stratum** は、v1.4 で導入された**ファイル管轄モジュール**です。文書を**機密／社外秘／一般**のグレードに判定し、必要に応じて機微な項目を伏せたマスキング版を生成し、外部の生成 AI への送信（外部送信）が許可された文書だけを送り出す統制レイヤーです。[Guardian](/ja/v1.4/concepts/guardian) がテキスト入力を管轄するのと同じように Stratum はファイルを管轄し、2 つのモジュールは 1 つの Project 内で対等な [Module Instance](/ja/v1.4/concepts/module-instances) として共存します。

Stratum は 2 つの capability で構成されます。

<CardGroup cols={2}>
  <Card title="グレード判定" icon="tags">
    文書を機密／社外秘／一般に分類します。段階的な判定パイプライン（L1〜L4）でシグナルを集め、Rule Package の分類ルールとラベルポリシーでグレードを確定します。
  </Card>

  <Card title="外部送信のルーティング" icon="route">
    グレードと確信度に応じて、文書を自動確定／グレーゾーン（Gray）／ブロックにルーティングします。グレーゾーンと機密の判定は、人による二次レビューにつながります。
  </Card>
</CardGroup>

## Guardian との関係

Guardian と Stratum は、互いを呼び出さない**別々のモジュール**です。1 つの Project に両モジュールがある場合、入力タイプによって担当が分かれます — **テキストは Guardian、ファイルは Stratum が単独**で担当し、2 つのモジュールの結果を 1 つの判定に統合することはありません。ファイルのグレード判定とマスキングの両方を Stratum が実行し、このとき Guardian のファイルガードレールは適用されません。Stratum を使用しない Project では、従来どおり Guardian がテキストとファイルの両方を処理します。

Guardian がコンテンツフィルタリング（PASS / MASK / BLOCK）という**アクション**を判定するのに対し、Stratum は文書そのものに**グレード**を付与します。多様な文書フォーマット（ワープロ・プレゼンテーション・PDF・HWP/HWPX など）と内容（画像・表・数式）を標準形に正規化してから判定するため、文書の種類が違っても判定性能が一定に保たれます。

## Taxonomy — グレード体系

Stratum のグレード体系は、**Taxonomy** というアーティファクトで定義されます。グレードの集合、各グレードの順位（rank）、判定方式、しきい値を保持します。グレードの数・名称・基準は顧客企業ごとに異なり得るため、グレード体系を独立したアーティファクトに分離し、分類ルールがグレードを抽象的に参照できるようにしています。

v1.4 時点のグレードは 3 種です。

| グレード    | 順位  | 判定方式                                             |
| ------- | --- | ------------------------------------------------ |
| **機密**  | 最上位 | スコア型 — シグナルをスコアとして集計し、しきい値と比較                    |
| **社外秘** | 中位  | スコア型                                             |
| **一般**  | 最下位 | clearance gate — 「疑わしいシグナルがなく、判定が完了している」ことを条件に通過 |

1 つの文書から複数グレードのシグナルが出た場合は、**最も高いグレードで確定**します（highest-rank）。単一の機微な区間が文書全体のグレードを引き上げるため、低い側への誤分類を防ぎます。手動で付与されたグレードを、自動判定が勝手に上書きすることはありません。

Taxonomy は [Rule Package](/ja/v1.4/admin/stratum-policy) とは**別のアーティファクトとして独立したバージョン**を持ち、Rule Package が特定の Taxonomy バージョンを参照します。Taxonomy は比較的安定しているため、複数の Rule Package バージョンから再利用されます。

## 判定パイプライン — L1〜L4 カスケード

Stratum は、文書を段階的に検出するカスケードでシグナルを集めます。後段ほど重く、精密になります。

| 段階                      | 捕捉対象                                                                                                                 |
| ----------------------- | -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
| **L1 — フィンガープリント・完全一致** | 登録済みの様式・フォーマットで作成された文書（[フィンガープリントテンプレート](/ja/v1.4/admin/fingerprint-templates)との照合）、実データとの完全一致 — 確信度が高く、即時確定の根拠になります |
| **L2 — パターン・キーワード**     | 定型の識別子（マイナンバー・カード番号など、検証ルールを伴う）とドメインキーワード — 文脈語の近接によって信頼度を補強します                                                      |
| **L3 — 意味ベースの分類**       | 定型シグナルがなくても、文書の意味からグレードを推定する分類                                                                                       |
| **L4 — 条項判断**           | 境界ケースに限り、ポリシー条項を基準に意味を判断 — 「すでに公開されている情報」のような反対方向の証拠も含みます                                                            |

前段で確信度の高いシグナルが確定するとカスケードは早期終了し、境界ケースだけが後段へエスカレーションされます。L4 の判断は常に「レビュー必要」のシグナルとしてのみ作用し、それ自体がブロックやマスキングを直接下すことはありません。

判定には**根拠（evidence）** — 検出レイヤー、検出器、寄与グレード、信頼度、マスキングされた preview、検出ごとのマスキング可否 — が併せて生成され、レビューと監査の基盤になります。

## マスキングと再判定

Stratum は検出項目のうちマスキング対象を伏せた**マスキングされた文書**を生成し、マスキング版を再度グレード判定して、**そのグレードを最終的な外部送信の基準**とします。マスキングによって機微なコンテンツが除去されグレードが下がれば、外部送信が開かれます。

検出項目は、マスキング可能なものと不可能なものに分かれます。クレデンシャル類のように伏せてもリスクが残る**マスキング不可の項目**を含む文書は、グレードが維持され外部送信がブロックされます。マスキング対象の選択は、検出ごとのマスキング可否表示と Rule Package のポリシーで決まるため、マスキングによってグレードがどこまで下がるかは、ポリシーと Taxonomy の設定に依存します。

## 3 つの判定結果と fail-secure

グレード判定の外部送信ルーティングは 3 経路です。

| ルーティング           | 条件                         |
| ---------------- | -------------------------- |
| **自動確定**         | グレードの確信度が確定しきい値以上          |
| **グレーゾーン（Gray）** | 確信度が境界区間 — 人による二次判定につながります |
| **ブロック**         | 外部送信不可の判定                  |

<Warning>
  **fail-secure** — 判定を完了できなかった場合（分析失敗・タイムアウト・モデル利用不可）は、文書を「一般（外部送信可）」に格下げせず、安全側で処理します。Guardian が「検出なし」と「分析できなかった」を区別し、分析失敗をエラーとして拒否する Guardian Fail-Closed の原則を、そのまま継承したものです。
</Warning>

計画された不在と、事故による利用不可は異なる扱いになります。

* **Stratum がそもそもない Project** — ファイルは従来どおり Guardian のガードレールのみを通ります（従来動作の維持）。
* **Stratum が導入済みで一時的に利用不可（障害・タイムアウト）** — fail-secure により、外部送信をデフォルトでブロックします。
* **Stratum インスタンスはあるが Rule Package が Pin されていない** — 判定を行わず、ファイルをそのまま通過させます。Guardian がポリシー未割り当ての状態で検査なしに通過させる動作と同じであり、判定を開始するには Rule Package を Pin する必要があります。

## 二次レビュー — グレーゾーンの判定と機密の再審査

グレーゾーン・機密の文書は、人が最終判定します。2 つのフローは性格が異なります。

| フロー             | 対象                     | 手続き                                              |
| --------------- | ---------------------- | ------------------------------------------------ |
| **グレーゾーンの二次判定** | グレーゾーンにルーティングされた未確定の文書 | 人が二次判定を依頼し、決裁で最終グレードを確定します。確定までは確定グレードとして扱いません   |
| **機密の再審査**      | すでに確定した機密判定            | 異議申し立て（appeal）として再審査を依頼し、決裁でグレードを再確定します（引き下げを含む） |

どちらのフローも**即時ブロックの後に事後決裁**という方式です。グレーゾーン・機密の判定が出た時点で、そのファイルの外部送信は保留され、人が決裁するまで開かれません。「条件付きで通過させてから審査する」ような経路は設けず、fail-secure が維持されます。

レビュー担当者は、文書全体を読み直す代わりに、**マスキング版と根拠**（検出されたパターン・位置・ページ、寄与グレード・信頼度）を先に見て判断します。決裁で確定した最終グレードは外部送信のルーティングに即時反映され、決裁者・理由とともに監査記録に残ります。

## 2 つの流入経路 — インライン同期と受付・ポーリング非同期

Stratum は 2 つの経路から呼び出され、どちらも同じポリシー（Taxonomy・Rule Package）を共有します。

<CardGroup cols={2}>
  <Card title="インライン同期" icon="bolt">
    リアルタイムのトラフィックに同梱されたファイルを、リクエストの中で判定します。テキストと添付ファイルが一緒に届いた場合、テキストは Guardian、ファイルは Stratum がそれぞれ独立に処理します。インラインのファイルサイズにはハード上限があり、上限を超えたファイルは fail-secure で外部送信を保留・ブロックし、バッチ経路へ案内します。
  </Card>

  <Card title="受付・ポーリング非同期バッチ" icon="list-check" href="/ja/v1.4/api/batch/overview">
    大量・大型の文書を一括処理します。ファイルのリストを受け付けると即時に受理され、呼び出し元がポーリングで結果を回収します（コールバックはありません）。
  </Card>
</CardGroup>

## さらに詳しく

<CardGroup cols={2}>
  <Card title="Module Instance" icon="cubes" href="/ja/v1.4/concepts/module-instances">
    Project Guardian と Project Stratum が 1 つの Project 内に共存するリソースモデルです。
  </Card>

  <Card title="Taxonomy と Rule Package の管理" icon="file-shield" href="/ja/v1.4/admin/stratum-policy">
    グレード体系と判定ポリシーの定義・バージョン管理・Pin の方法です。
  </Card>

  <Card title="Rule Package の作成" icon="pen-to-square" href="/ja/v1.4/admin/how-to/write-stratum-rule-package">
    detector 定義・分類ルール・ラベルポリシーの 3 層構造の作成ガイドです。
  </Card>

  <Card title="フィンガープリントテンプレート" icon="fingerprint" href="/ja/v1.4/admin/fingerprint-templates">
    フィンガープリント判定の照合基準となる空の様式の登録・改訂・再閲覧です。
  </Card>
</CardGroup>
